まき子の「オーストラリアあれこれ」

ひとくちエッセイ

育児 編

 

靴のひも結び

子どもが2〜3歳の時、外に出るたびに紐のついた靴をはかせるのが億劫になったことがあった。日本では、自分で簡単にはける安い靴がたくさん手に入るのに、どうしてオーストラリアでは売られていないのか不思議に思ったものだった。紐結びは子どもにとって大変難しいが、紐付きの靴しかないので、覚えざるを得ない。早い子は4歳ぐらいで、遅くても小学校に入る6歳頃までにはできるようになる。

実は帰省中に読んだ新聞(朝日小学生新聞)に子どもの足のトラブルについての記事があり、思わず納得。今の子どもの4割は「指が地についていない、小指が中を向いている」足で、重心の位置が後ろへ下がり、歩く時に指を上手く使えないとのこと。それは、足によくないタイプの靴を小さい時からはいているからと・・・。私が安くて便利と思っていた靴こそ、最もよくないものだったのだ。

子どもの靴に、大人の靴を買うくらいの費用をかけているのは、やはり、いい靴はいい足、いい身体を作るということを知っているからなのだ。でも、どんどん成長して半年ではけなくなる靴に、1万円を払うのはやっぱりもったいない・・・。

Tooth Fairy(トゥース・フェアリー

オーストラリアでは、歯が抜けると紙に包んでまくらの下に隠して寝る。夜、トゥース・フェアリーという妖精が歯を持っていく代わりに、コイン(1ドルか2ドル)を残していくと言われている。それを妖精達がどうするのか定かではないが、子ども向けにさまざまな絵本が出版されている。歯を細かく砕いて妖精達のアクセサリーにしているのだとか、尖っているものはそのままで武器にしているのだとか・・・。

我が家の場合は、小さな歯は1ドル、奥歯で大きいものになると2ドル置いていってくれる(?)。さて、帰省中に9才の息子の歯が2本抜けた。「オーストラリアから来てくれるのかな?」と心配でなかなか眠れなかったようだが、翌朝、息子のまくらの下には、金ピカの100円玉が入れられていた。日本製の千代紙に包まれて・・・。はるばる日本まで来てくれたようだ。

裸足になりたがる子どもたち

プレイ・グループに集まってくる2、3歳の子どもたちは、砂場で遊ぶ時には裸足になる。靴をはいていても、遊んでいるうちに靴の中に砂が入ってしまうし、靴下も砂だらけになるからだろう。また、裸足の方が砂の感触が気持ちいいからかもしれない。

一度靴をぬいでしまうと、ずっとそのままで、なかなか、はきたがらない。芝生の上はもちろん、小枝が落ちていても、砂利のうえでも、痛がることなく平気な顔で歩いたり、走ったり、寝そべったりしている。

私は、この「裸足になる」のが苦手である。きれいに手入れがされている芝生の上でも、なんとなくチクチクし、ましてや、コンクリート、砂利の上など、とうてい無理。どうして裸足で歩けるのか不思議に思うくらいなのだ。

うちの子どもたちは、小さい時から、オーストラリア流に慣れたせいか大丈夫である。

水泳教室はマンツーマンで

娘は3歳の時、ちょうど日本に一時帰国した際に水泳を習い始めた。水に顔を入れるのにもすぐに慣れ、お風呂では潜る練習もしたりして、どんどん面白いように上達した。20人の子どもが2人のコーチについて、大勢でワイワイやれたのがよかったようだ。

一方、息子が始めたのは、キャンベラの水泳教室。そこでは、幼児の場合は子ども3、4人に対して、コーチが1人。レッスンは30分である。

まだ顔を水に入れることもできない状態の子どもを、コーチは1人ずつだっこして水に慣らしてくれる。みんなビクビクしながらも、なんとかこなしている。でも、息子は、コーチにだっこされた途端、泣き出した。コーチが声をかけてあやしても、ますます大声で泣く。息子にしたら、「水がこわい。青い目のお姉さんに抱かれるのがこわい。お母さんと違う言葉で話し掛けられるのがこわい・・・」という状態。

予想していたことではあるが、その泣き方がいつもとは違う。おびえ切っているというか、それまでに味わったことがない恐怖の世界(?)。

息子の泣くのも無理はないと思い、次の週からは、私も水着に着替えて一緒に水に入った。毎週少しずつだが、回りの雰囲気に慣れ、コーチのお姉さんに声をかけられても笑顔を返せるようになり、水にも慣れていった。1ヶ月後、息子に聞いた。

「今日、お母さん、一緒にプールに入らなくても大丈夫?」

「うん。ぼく、もう、もぐれるもん!」

「お誕生会請け負います」

オーストラリアの子どもたちは、週末になると、お誕生会のお呼ばれがあって忙しい。3歳過ぎから小学校の3ー4年生までは、お誕生会を開くことが多いからだ。

自分の家に招いて、ごちそうをしたり、遊んだりする子どももいるが、「お誕生会請け負い」の業者に頼むことも多い。例えば、マクドナルドでは食事がついて、係の人が子どもたちにゲームをさせて遊ばせてくれるうえ、お土産までもらえる。自宅で開く時の準備代(食事やおやつ、ケーキ)と比べても値段が高いことはなく、小さい子どもたちには人気がある。親の方も、10人の子どものパーティーの後始末を考えるとうんざり、という人が多く、「請け負いパーティー」は好評だ。

マクドナルドのほかに、お誕生会ができるところは、動物園、水族館、恐竜博物館、天文台、ボウリング場など。お誕生会向けの食事が注文でき、子どもたちに案内や専門の係がついて、2ー3時間遊ばせてくれる。

女の子には妖精やプリンセスのコスチュームが着られるパーティー、男の子には屋内遊園地のようなゲームセンターも人気があるお誕生会「会場」だ。

また、ピエロやポニー(子馬)乗りの出張を頼んだり、Face Painting(動物の顔や妖精などに似せて化粧するもの)や、Jumping Castle(ゴム製の遊び場で、空気を入れてふくらますと大きな滑り台のような形にもなる。幼児用は5メートル四方ぐらい)なども注文できる。

お誕生会に招く側は招待状を送り、招かれた子どもは、当日、お祝いのカードを添えて10ドル前後のプレゼントを持って行く。

チャイルドシートは100%

チャイルドシートを付けていなかったため、車の助手席ドアが開いた際に女の子が転落し、対向車にはねられて死亡ーー先頃読んだ日本の新聞記事である。

2歳の女の子がドアロックで遊ぶことがあったにもかかわらず、その母親は転落を予見できなかったとして、書類送検されたようだ。

チャイルドシートの装着が義務付けられたのに、まだまだの感。それも、じっとしているわけがない2歳の子を助手席に乗せるなんて、こちらの感覚では考えられない。

オーストラリアでは、子どものチャイルドシート装着について、100%と言い切れると思う。子どもは生後6ヶ月くらいまでは赤ちゃん用のベビーシートに寝かされる。その後、3、4歳頃まではチャイルドシートで後ろの座席に座らせられる。それ以降は、身長が低い子ども用にジュニアシートがあり、それを使う場合も、後ろの座席だ。赤ちゃんの時から、みんながしていることで、「子どもは後ろの座席、大人は前の座席」と教わるのだ。

娘は6年生になって、やっと、助手席に座れることになった。小柄な息子はシートベルトがまだ首の位置に来るので、4年生ながらチャイルドシートを使っている。「もう、こんなのクラスの誰も使っていないよ」と不満を言うが、「首にかかるうちはまだダメ」と言われてはしょうがないといった感じで、あきらめている。

オーストラリアの子どもたちにとって、助手席に座れるのは、大人になったと認められるようで、うれしいのかもしれない。しかし、シートベルト着用は決して忘れない。

日本では「嫌がるから使わない」「装着が面倒だから」という親が多いと聞いたことがあるが、それでは、子どもの安全は守れないのではないだろうか。

おむつはタオル地で真四角

オーストラリアで使われているおむつはタオル地で四角い。初めて見た時には、どうやっておむつにするのか不思議だったが、ごく単純だ。三角に半分に折り、3つの角を合わせ、おむつ用の大きい安全ピンでとめるというもの。

10年ほど前は、オーストラリアでも、まだ今のように紙おむつが安くなく、あまり使われていなかったので、うちでは日本のおむつを送ってもらい使うことにした。タオル、安全ピンというのが、どうもピン(?)とこなかったのだ。二人目の子どもも同じおむつで通したが、日本のガーゼ地のおむつ、肌着はとてもよくできていると思う。

今は、日本でもオーストラリアでも、布おむつを使っている人の方がかなり少ないのでは?

生後2ヶ月で始まる予防注射

3種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)の予防注射は生後2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月に受けるよう勧められている。

また、日本では副作用で問題になった新3種混合(MMR: 麻疹・おたふく風・風疹)の予防注射は、オーストラリアでは特に問題も起きておらず、生後12ヶ月で1回目の予防注射を受けることになっている。

日本では2歳前後に受けるのが多いと聞いていたので、まだ、生後2ヶ月の赤ちゃんから、どんどん予防注射をするのには驚いた。

 

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