オーストラリア時事英語あれこれ
〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜
Greater Sunrise 大いなる夜明け? グレーター・サンライズ
国連海洋法条約発効十周年に当たる11月16日、オーストラリアは国際 海底機構の大陸棚限界委員会に、自国が主張する大陸棚の境界線を申告 しました。もともと同条約加盟国は発効後十年以内に申告することとな っていましたが、ほとんどの国は準備が整っておらず、期限の延長の合 意が成っています。
同条約では、隣国との間で境界画定に関する争いがある場合は申告前に それを解決することが求められており、随所でそれが遅延の大きな理由 となっています。オーストラリアにとっては、最後までもめたのが東チ モールとの間の境界画定であり、実は今でも完全な解決には至っていま せん。
東チモールが独立を達成した日、2002年5月20日に、両国間の大陸棚 に「共同開発区域」を定めたチモール海協定が署名され、オーストラリ アではすでに立法化手続が済んでいますが、東チモール側はまだ批准を 拒否しています。同協定は、以前同国がインドネシアに占領されていた ときにインドネシアとの間に締結された、いわゆるチモールギャップ協 定の線引きを踏襲したもので、もとは50/50だった「区域A」の取り分 を東チモール側に90%としているところが、オーストラリア側の「温か い」配慮の現れとされています。
しかし、東チモールにとっては、北西大陸棚有数の埋蔵量があると言わ れるグレーター・サンライズ海底油田・天然ガス田が、同協定では共同 開発区域を外れてオーストラリア領にほぼ全部入ってしまうことが、何 とも承服しかねるのです。同国としては長年の植民地支配と動乱で疲弊 した国を再建するためには、海底資源開発からの収益に頼るしかなく、 この油田からの収入の分け前にどうしてもあずかりたいと考えています。
そもそもがオーストラリアとインドネシアとの間でなされた線引きです から、新たに独立した東チモールにとっては納得のいかないところがあ ります。しかし線を引き直すとなれば当然インドネシアも交渉の場に引 き入れねばならず、現実的には困難です。協定批准を盾にとって、より 良い条件(天然ガス精錬所の建設など)を引き出すのがねらいと思われ ます。
詩的に訳せば「大いなる夜明け」とでもなりましょうか、美しい名前が つけられた油田ですが、その帰趨は、生まれたばかりの取り立てて資源 もない小国の直面する、国際社会の厳しい現実を象徴するかのようです。
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