オーストラリア時事英語あれこれ

〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜

Jackaroo 牧童? ジャッカルー

豪州屋

Jackaroo は「牧童」とでも訳せましょうか、オーストラリア内陸部等に点在するstation (牧場・・・といっても大きいのになると10,000平方キロメートル以上の広さがあり、数万頭の肉牛を飼っています)で下働きをする人のことです。オーストラリアン・ナショナル・ディクショナリーによればこの語は「放浪する白人」を意味する jagara というアボリジニー語から来ており(語尾の roo はもちろんカンガルーからの借用です)、若くて白人、そしていずれは管理人(Station Manager)になるつもりで下積みの仕事をする人を指すのが一般的な用法です。

今、オーストラリアで最も有名な jackaroo といえば、英国王室のハリー王子でしょう。英国王室では、高校を卒業した子供が大学に入る前に数カ月海外で見聞を広めるのが恒例となっているらしく、数年前にはウィリアム皇太子も同様の経験をしたそうです。今回、ハリー王子はクイーンズランド州に故ダイアナ妃の友人が所有する16,000ヘクタールの牧場で数カ月 jackaroo として働く事になりました。

今回のハリー王子の滞在に関しては、その期間にオーストラリア国民が負担を強いられる警備費約60万ドルが物議を醸しました。特に、観光地として名高いボンダイ・ビーチ(Bondai Beach)やラグビーW杯観戦など、人の集まるところに遊びに出かける(本人が「ぜひ見たい」と希望しているらしい)際には厳重な警備が必要になります。もちろん英国民はそれよりはるかに高額の負担をさせられているわけですが、それにしても迷惑な話です。

それでも地元の人々はハリー王子を歓迎しているようです。彼がその牧場にやって来たことが知れてマスコミがこぞって押しかけたので、嫌気がさした王子が jackaroo をやめると言い出したことがありましたが、その時も町の人々は王子に非常に同情的で、マスコミの取材に対しては皆冷たく当たったり抗議したりしたそうです。

Republicanism の号(第5号)にも書きましたが、英国王に代えてオーストラリア人の大統領(President)を国家元首として戴く共和制(Republic)を目指す republican 達には、このような騒ぎは共和制移行の必要性を再認識させる良い機会となります。実際には共和国になったからと言って来豪する要人の警護をしないわけにもいかず、来ると言うのを拒むこともできないでしょうから、お金の問題だけではないような気がします。むしろ英国王室に臣民扱いされるのを独立国のプライドが許さないと言うところでしょうか。

偶然かもしれませんが、くだんの牧場のある選挙区は、1999年にあった共和制移行の是非を問う国民投票で、移行反対票の割合が全国一高かったところだそうです。それだけ、この地区の人は英国や王室への愛着が強いということなのでしょう。

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