オーストラリア時事英語あれこれ
〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜
Mandate 閉じ込めておく政策? マンデート
10月9日に行われた連邦選挙の開票結果がようやくほぼ確定してきまし た。投票は即日開票されて、その夜には大勢が判明し、実際、与野党各 党首の勝利宣言(Victory speech)、敗北宣言(Concession speech)も その日のうちに行われるのですが、選挙区によっては当選者が決まるの に何週間かかかることがあります。
まず、以前取り上げた優先順位投票(preferential voting)制度が得票差 の小さい場合は生きてくるので、慎重に数えなければならない(まず誰 が落選かを確定して、いかにその得票を次位優先順位の候補に振るかの 順番が大事)という事情があります。
さらに、投票所に行けない人が行う郵送投票も、当日消印有効なので、 全部配達されるまで何日でも待ちます。今回は告示直前に数ヶ月の予定 で出港した隠密行動の潜水艦があって、その乗組員の票はブイをつけて 海上に浮かべて回収したそうです。選挙に対する真剣な態度が窺われる 話です。ただ、南極観測隊員の投票だけは、秘密投票の原則にも関わら ず、電話で伝えなければならなかったそうです。
前にお伝えしたように、今回の選挙は与党保守連合の大勝という結果で したが、なかでも大きな意味を持ってくるのが、上院の過半数を制した という事実です。80年代に上院の定数が増やされて以来、単一政党(こ の場合は保守連合ですが)が上下両院の過半数を制したことはこれまで ありませんでした。下院を通過した法案でも上院で過半数の賛成が得ら れなければ成立しませんので、これまで与党は野党全部が反対する法案 は通すことができませんでした。
たとえば、労働党政権時代に整備された、不当解雇禁止や団体交渉権を 定めて労働者保護に手厚い労使関係法(Industrial Relations Law)の改 変や、電話会社 Telstra の完全民営化、大学制度改革など、世論を二分 する重要問題が棚上げ状態になっていました。
今回、政権党が上院の過半数を制したということは、選挙民が政府に、 これらの政策を実施するよう信任した、すなわちマンデートを与えたこ とだと理解されています。選挙結果を受けて上院の議員が入れ替わるの は来年の7月1日です。それ以降、政府は次々にこれらの重要法案を出し てくるものと予測されています。大敗北を喫した労働党が、そのような 厳しい状況の中で、どう存在感を示し、党勢を回復できるかが注目され ます。
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