オーストラリア時事英語あれこれ

〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜

Mislead   誤解させる ミスリード

豪州屋

Mislead は、「誤解させる」、「惑わせる」といった意味の言葉で、政治 家などが好んで使います。たとえば、最近の新聞に「I'm sorry I misled the house: Howard (国会で誤解を招いたことをおわびする:首相答弁)」 という見出しの記事がありました。事実ではないことを言ったり、語弊 を招く言い方をした場合に、「嘘だった」とは言いにくいのでこういう 言い方が好まれるようです。

上記の見出しの記事は、イラク・アブグレイプ刑務所における捕虜虐待 事件に関して、オーストラリア政府がどこまで関知していたのかという 問題で政府の説明が二転三転している件についてのものです。

ハワード首相やヒル防衛相は、当初「メディアの報道ではじめて知った」 といっていたのですが、オーストラリア軍関係者が同刑務所を頻繁に訪 れていたり、国際赤十字委員会の報告書が防衛省に提出されていたこと が次々に明るみに出て説明に窮し、ついに上記のお詫びとなったわけで す。

それでも首相は、知っていて国会で嘘をついたのではなく、防衛官僚が 防衛相や首相に報告を上げなかったために、結果として間違ったことを 言ってしまったのだと責任転嫁しています。

実はそれと全く同じ言い訳が数年前にも使われました。以前このマガジ ン(No. 18)でも取り上げた SIEV X の沈没事件の際、政府は救助には 手遅れになるまで全くその存在に気づいていなかったとしていましたが、 実際にはその船がインドネシアを出港した直後から探知しており、衛星 や偵察機で監視追跡していたとの証拠が明るみに出ると、今度は海軍の 内部で情報が止まっていたのだとして、海軍の士官に引責辞職させて事 を済ませました。

今回も今のところ政府の説明を疑う理由はありませんが、それが事実で あったとすれば、軍や防衛省内部には、政府にとって都合の悪い報告は 大臣の耳に入れないという慣行が根強く残っていることを意味しており、 憂慮すべき事であると指摘されています。

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