オーストラリア時事英語あれこれ
〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜
Olympic Dam 巨大鉱山のゆくえ? オリンピック・ダム
オリンピック・ダムは、南オーストラリア州にある大規模な鉱山に付けられた名前 です。銅は世界第四位の埋蔵量を誇り、金も世界のトップ10クラス、そのほかニッ ケルなども採掘されています。そしてウラニウムでは世界で確認されている埋蔵量 の実に38%がここに存在しています。
この大鉱山の持ち主であるWMCという会社に、スイスのエクストラタ(Xstrata)と いう会社が敵対的買収をかけたのが昨年のことです。規制緩和、外資導入が売り物 の現保守政権は、その買収を許可する方針でしたが、国の基幹産業を支える大企業 が外国資本の手に渡ってしまうことに懸念を表する人たちも多くありました。
そこに現れたのが、オーストラリアを代表する(資本は50%英国、50%オーストラ リアですが)BHPビリトン社です。同社のエクストラタを凌ぐ買収提案に、WMCの 取締役会は得たりや応と飛び付き、政府のお墨付きも得てめでたく友好的買収の運 びとなりそうです。
すでに複合的鉱山企業としては世界一のBHPビリトンは、この買収が成功すれば、 銅生産で世界第二位、ニッケル生産で世界第三位の規模となります。
しかし、いままでウラニウム生産の経験がない同社にとっては、この資産の扱いを 誤ると非常な難題を背負い込む結果となりかねません。折しも化石燃料の枯渇や地 球温暖化の懸念を背景に、中国やアジア諸国などで原子力発電が注目されてきてい ます。ウラニウム鉱石価格も数年前の三倍にも高騰してきており、資産としては確 かに魅力的です。しかし、オーストラリア国民はもともと非常に核アレルギーが強 く、WMCも一般国民からはあまり受けが良くなかったようです。
そのうえ、最近はイランの核開発疑惑や「核の闇市場」といったニュースがよく話 題に上ります。政府は、ウラニウム供給先(主に日本)には、絶対に兵器に転用さ れないよう厳重にお願いしていると力説しますが、再処理・プルトニウム濃縮過程 ではウラニウムの原産地を特定することは困難で、実効的な追跡はできていないと 考えられています。
一方で国内唯一の原子炉、ルーカス・ハイツ実験炉は、老朽化が進み、解体・移築 が急務となっています。しかし、新規建設地や廃棄物処理地などは、連邦と各州の 間で延々と押し付け合いが続くだけで、いっこうに解決の糸口は見いだせません。
十年ほど前、パプア・ニューギニアでBHPが運営していたオク・テディ銅鉱で、大 規模な環境汚染が起き、同社のイメージは大きな打撃を受けました。その経験から、 良き企業市民としてのイメージをことさら大切にするBHPビリトンが、世界最大の ウラニウム生産者として、これからどのように国民・株主を説得していけるのか、 真剣な対応が求められています。
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