オーストラリア時事英語あれこれ

〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜

Sugar Seat 砂糖選挙区? シュガー・シート

豪州屋

オーストラリアとアメリカ合衆国は2004年2月9日、自由貿易協定(Free Trade Agreement: FTA)に合意し、調印しました。この協定により、特定の分 野を除く農産物や工業製品の輸入関税が撤廃され、投資やサービス分野 でも両国間の取引の円滑化が促進されます。

この自由貿易協定締結はここ一年半あまりオーストラリア外交の最優先 課題でした。対イラク戦争への出兵をはじめ、ここ一連の米国一辺倒ぶ りはまさにこのためにあったと言っても過言ではありません。先進国間 でこのような包括的な自由貿易協定が結ばれるのは珍しく、ハワード首 相は、ブッシュ大統領との個人的友好関係があったからこその、またと ない機会を掴んだと得意満面です。

しかし、最後まで焦点となっていた砂糖は、結局除外されてしまいまし た。砂糖は世界的に見ても最も保護されている農産物の一つで、米国で も砂糖ロビーの影響力には定評があります。それに加えて、2000年 の選挙で危なくゴア候補に破れかけたフロリダ州がサトウキビの主要産 地という事情もあり、大統領選挙を控えたブッシュ大統領がここで砂糖 の保護関税撤廃に動くことはあり得なかったのです。

そこで怒ったのはオーストラリアの砂糖生産者らです。そもそも政府自 身が以前から、この協定によって期待される利益の筆頭に砂糖を掲げて 交渉を正当化しており、つい数カ月前にも農村部を地盤とする与党国民 党の党首、アンダーソン副首相が「砂糖抜きの協定締結はあり得ない」 と断言していたのですから、裏切られたと考えても無理はありません。

オーストラリアでも今年国政選挙が予定されていますが、そこで注目を 集めているのがクイーンズランド州やニューサウスウェールズ州にある 砂糖主要産地の選挙区です。与党である国民党や自由党の強いこれらの 選挙区が野党労働党の手に渡れば、政権交代も考えられます。そのよう な選挙区を指して言う言葉が、標題の「Sugar Seat(砂糖選挙区)」で す。「選挙区」は正式には electorate ですが、ここでは頭韻を踏んでい て語呂のよい俗語の seat(座)を使っています。このように韻を踏む俗 語のことをrhyming slangと言い、英語圏では非常によく見られます。

訂正:SugarとSeatは韻を踏んでいない、頭韻の場合はRhyming Slangとは言わないとのご指摘がありました。その通りのようですので訂正します。ありがとうございました。これからもお気づきの点等ございましたらどしどしお寄せ下さい。

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