オーストラリア時事英語あれこれ

〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜

Superannuation 退職年金 スーパーアニュエーション

豪州屋

オーストラリアも他の先進国の例に漏れず人口の高齢化が進み、老後の 生活保障は国民の大きな関心事となっています。引退後の収入源には大 きく分けて、国家予算から支出される pension(ペンション:老齢年金) と、就労時に給料から積み立てておいた基金を運用・取り崩しして充て る superannuation(退職年金)があります。

政府としては、税金で賄う老齢年金にはなるべく頼って欲しくないので、 できるだけ多くの人が、就業期間中に出来るだけ多くの自己資金を superannuation fund(年金基金)に積み立てておいてもらいたいと考 えます。しかし、オーストラリアの国民性はもともと貯蓄性向が低く、 老後のためにこつこつ蓄えるのはどうも苦手なようです。

おまけにオーストラリア人は仕事人生はなるべく短く、できるだけ早く 引退して余生を長く楽しもうとします。その後の生活に不安さえ無けれ ば、30才台、40才台で引退してしまいたいと願う人が少なくないの です。

現在、雇用者は被雇用者の給与の一定割合を天引きして基金にに積み立 てることが義務づけられていますが、数年前の世界的不況のあおりで元 本割れをおこす基金が続出しました。Fund manager(基金の運用管理 を行う金融業者)の不透明な手数料体系や、積立て、引出しの二度にわ たって課税される税制度も年金基金に対する不満を助長しています。

そこで、次期首相を狙う現Treasurer(財務大臣に相当)のピーター・コ ステロが打ち出した妙案が、いわば「死ぬまで働け主義」です。大臣は、 引退後もパートタイムで週一日か二日働くだけでも、生活費の足しには なるし、国家財政への負担も軽くなる、という趣旨で、"makes your life easier, makes my life easier" と発言して失笑を買いました。せっかく の妙案ですが、失職した中高齢者の再就職は非常に困難であるという現 実を前にしては、あまり説得力を持ちません。

対抗する野党労働党のレイサム党首は、「65/65政策」を打ち上げ ました。これは、全国民が65才で引退し、引退前所得の65%の収入 を確保することを目的とした、様々な政策のパッケージです。しかし、 発表直後にコステロ財務相から基本的な計算の誤りを指摘され、そのま ま実施すると年間20億ドルの財政赤字を生むことが分かって、あわて て訂正したりしています。

ことほどさようにこの問題は大きく複雑な問題であり、一挙に解決でき る名案は見つかりそうにありません。与野党とも、今年後半に選挙を控 えて知恵を絞っているところですが、長期的な視野に立った地道な努力 も忘れないで欲しいところです。

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