オーストラリア時事英語あれこれ
〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜
Textbook Campaign 選挙運動?! テキストブック・キャンペーン
選挙戦たけなわの先週末、全国紙に大きく野党労働党のレイサム党首が 小学生に本の読み聞かせをしている写真が載りました。その記事の見出 しが標題の Textbook Campaign です。
「キャンペーン(Campaign)」は、日本では商品の売り出しなどに際し て目にすることが多いですが、元来は軍事用語で、特定の目的を達成す るための一連の軍事行動のことをいいました。現在では様々な手段を用 いて特定の目的の達成を目指すことについて広く使われ、上の意味の Sales Campaign のほかにも、Political Campaign、Election Campaign などはよく使われます。この見出しではもちろん労働党の Election Campaign(選挙運動)を指しています。
Textbook は教科書であり、レイサム党首が読んでいたものがそれであっ たのでしょうが、その意味の他に、textbook何々、というと、「お手本通 りの」「模範的な」といった意味で使われることがあります。
労働党は教育問題を今回の選挙戦略の主要な柱としています。たとえば、 年間何万ドルという学費を取って裕福な家庭の子弟を集め、ライフル射 撃場やボートレース施設を持っていたりする、少数の有名私立高校に連 邦政府の手厚い助成金が行くのは、エリート偏重であるとして、それを 減らした分を公立校や貧しい地域の私立校に振り向けるとの公約を掲げ て、支持を集めています。
この戦略は保守政権が推し進めてきた高等教育制度改革が学生の反発を 招き、一般世論にも不人気であることや、自らも幼い子供達の父親であ り、できるだけ就寝前には本を読み聞かせてあげるという家庭的な面も あるレイサム党首を売り込みやすいことから、かなりの訴求力を持って いるようです。
対する保守陣営も負けてはいられません。ハワード首相が幼稚園の砂場 で子供と遊んで見せたりしましたが、いかんせん堅いスーツ姿のおじい さん首相ですから、いかにもぎこちなく、かえってこっけいに映りまし た。労働党にしてみれば、相手が不得意とする分野をねらった正攻法の Textbook Campaign と言えそうです。
もっとも、保守政権は国防、外交、経済運営に一日の長があると一般に 目されており、この分野でレイサム党首の未経験をつく戦略が功を奏し ているようです。世論調査でも接戦が予想されており、結果は蓋を開け てみるまでは分からなそうです。
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