オーストラリア時事英語あれこれ
〜豪州特有の英単語や言い回しからオーストラリアを知ろう〜
Hustings 選挙運動? ハスティングス
8月29日、ハワード首相は議会を解散するよう総督(Governor-General) に上奏、下院の全議席と上院の半数の議席を争う総選挙の選挙戦が始ま りました。特にオーストラリア英語というわけではありませんが、こち らのメディアでは選挙運動をすることをよく on the hustings といいま す。
古代ノルディック言語で家を示す hous と集会を示す thing が合わさ ったこの単語は古英語では宮廷会議を指していました。イギリス議会の 慣習では、1872年まで、選挙の際に候補者が特別にしつらえた台の上に 揃い、それぞれ指名を受け、選挙演説をしたそうです。その台のことを hustings と言ったため、一般的に選挙運動を指すようになってきたそう です。
投票日は10月9日とされ、六週間という異例の長丁場の選挙戦となりま す。これには、8月30日から始まる二週間の会期を招集したくなかった のと、9月から10月第一週は国民に最も人気があるスポーツ、オースト ラリアン・フットボールのプレーオフの時期で、週末には試合があるた め選挙ができない(そんなときに投票日を設定しようものなら、有権者 の怒りを買って敗北は目に見えています)というやむを得ない事情があ りました。
首相が解散に追い込まれたのは、前の選挙で劣勢を一挙に挽回して勝利 をもたらせた難民船問題で、政府は嘘をついていたという証言が当時の 関係者から次々と出てきており、議会を招集すればその追及は避けられ ない情勢にあったからです。
長い選挙戦は、若いレイサム野党党首に有利な要素とされています。過 去のなりふり構わぬ選挙戦略がいまツケとなって跳ね返ってくるのか、 首相のもくろみ通り、有権者は昔のことは忘れて今だけを意識した選択 をするのか、注目されます。
選挙戦が始まってからは、金利、医療、教育など、身近で切実な問題の 論議にかき消されて難民問題は全く話題に上らなくなりました。オース トラリア経済は未曾有の好景気が続いており、与党側は、労働党政権に なれば金利が上昇し景気が悪くなるとさかんに宣伝しています。また、 先週はジャカルタのオーストラリア大使館で大きな爆弾テロがありまし た。有事に現政権下で結束するのはどの国でも同じです。選挙戦序盤は、 ハワード首相に有利に進んでいるようです。
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