豪州屋Roo子のオーストラリア雑感集
アジアの友だち

地理的に近いため、オーストラリアにはアジアからの留学生が多く、中学・高校生も たくさんいる。インドネシア、タイ、マレーシア、ナウル、ベトナム、香港、中国、 韓国、もちろん日本からも。うちのように父親の仕事の都合で連れてくる場合以外 に、子供の教育を第一目的に滞在する例が多い。寮に入ったり、ホームステイした り、よくあるケースでは、父親が本国に残って働き、子供と母親だけがオーストラリ アに来て学校に通う。公立のいくつかの学校と私立学校には、あらかじめ、留学生と しての枠が設けてあるようだ。
Roo子の子供たち(Roo Kids)の仲良しには、香港、韓国、インドネシアなどからの留学生がいる。一時滞 在的な留学生というよりは、移民予備軍と言ったほうがいいくらい、オーストラリア に溶け込んでいる生徒もいる。アジア人の友達は、なぜか、なじみやすいという。彼 らはまず日本の文化に大変よく通じていて、話が合うことが多い。つまり、日本のテ レビドラマ、マンガ、ファッション、歌などをよく知っているのだ。オージーの子達 も食べ物、それにマンガに関しては日本ファンが多いが、ファッションや歌はテイス トが違うらしい。アジア系の生徒にとって、日本は憧れの一大文化発信基地、という 感じ、これは、私が日本語会話のボランティアをしている時にも実感したことだ。
ワールドカップの時、日本戦のテレビにかじりついていると、韓国人の友達Pは「今 ラジオでも特別日本語放送やってるぞ」と電話して教えてくれるし、香港から来てい るバイオリン特待生のF君はドラゴンボールZが大好きで、Roo Kidが持っている豪華本 を借りて返さない。インドネシア人のL君はランチにお稲荷さんをもってくる。一緒に ショップに行って日本からの輸入小物に「かわいー」と嬌声をあげる。Roo Kidも、 あれは韓国語でなんと言うの、と聞いて、たまに同じ発音の言葉があると驚いてい る。
抗日教育を受けている国もあるはずだが、との親の心配をよそに、若い世代は平気で いろいろなことを喋りあっているらしい。2人とも、「戦争の時、日本がインドネシ アに何をしたか知ってる?-別にあなたを責めているわけじゃないけど」「ちょっと はお母さんから聞いたけど、何があったの?」、「俺のじーちゃんばーちゃんや親戚 は日本にひどい目に合わされたんで、日本が大っ嫌いなんだ。俺は気にしてないけど ね」「その時の日本のトップはひどい奴らだったよね」なんて会話を、遠足にいくバ スの中とか、プールサイドで普通に交わしてくるらしい。日本にいたら、なかなか知 り合えない近隣の国の人たちと、こうして話し合えるということ、これは、多民族国 家オーストラリアに住む醍醐味かな、と私は思っている。
そして、私自身も、最近、中国人と韓国人の友達が出来た。同じ大学で学ぶ、よく教 育を受けた人達で、しかも日本に行った事や住んだ事があり、興味を持っている。韓 国人のほうは、流暢な日本語を喋ってくれる。中国人の友達には家に招かれ、彼女の お父さんとも話したが、なごやかに話しながら、合間には「天皇というのはどういう 存在なのか」などドキッとする質問も受けた。これまで新聞やメディアの中で見聞き はしても実際には使う必要の無かった言葉を口から出そうとして、何も言えない自分 に気づく。子供達に教える前に、自分はどう言いたいのか、もう一度、歴史の教科書 を取り出してみようかという気になる。今度、SUSHI、とチャーハンの料理エクス チェンジをすることになっているのだが、その時には、もう一度、友達のお父さんと お話してみたいと思っている。
留学生について一言付け加えると、Roo Kidsが仲良くしている留学生たちは成績も優 秀だしスポーツも音楽も頑張っているが、中にはうまく行っていないケースも多々あ るようだ。理由は様々あると思うが、ひとつには、英語の上達は誰にとっても楽なも のではないので、異文化の地でうまく人間関係が作れなかった場合、一人で悩み、学 業その他にもよい影響を与えないこと、留学生は現地生徒の20−30%増しの授業料を 払っている、つまり裕福な家庭の子供が多く、得てして生活が乱れ勝ちで、留学生同 士で悪い遊びを覚えてしまう、などなど。思春期で、独立心が旺盛で、親よりも友達 が大切、そんな年頃だが、まだまだ家族や本当に信頼できる人からのサポートを必要 としている年齢なのだとつくづく思う。
