豪州屋Roo子のオーストラリア雑感集
ビクトリアの四季と鳥たち

日本は昨年の夏と同様の猛暑のようで、暑中お見舞い申し上げます。 オーストラリア在住の方、まさに冬本番ですが、風邪をひいていませんか?しかし、 ウインターセールがほぼ終わり、日も少しずつ長くなり、次の季節の予感が既に感じ られますね。
私の住むビクトリア州は豪州の南端、緯度が高く南極に近いので、日本人に人気のあ るケアンズのような「南の島」感覚の気候ではありません。はっきりとした四季があ ります。といっても、こちらの冬は、東京の12月くらい(最低5℃-日中15℃)の気温 で推移し、比較的温暖です。日本の暦を半年戻して考えるとちょうど今が「寒」にあ たり、確かに朝夕は冷え込み、コート・手袋・マフラーはあった方がいいし、風が強 いと寒く感じますが、日中は妙に暖かい日があります。すると若い人はすぐノース リーブになったりサンダルばきになったりします。
私が来たときは春でした。春の雨が花々の開花をもたらす、といわれますが、土砂降 りの雨がふったかと思うと30分で上がり、晴天になったかと思えばいつのまにか曇天 になっており、またひと雨来る、このパターンが一日数回繰り返され、大変とまどい ました。Four seasons in one day. と言われるのですが、時々日本のガイドブック に書いてある「一日のうちに四季がある」という訳では上品すぎる気がします。実際 は、「一体どうなってるの?いい加減にしてよ!」と天に向かって叫びたくなる天気 でした。傘を持たずには出かけられない、という考えもあるし、いつまでも降り続き はしないから傘は不要、という考えもあります。
当初、この、はちゃめちゃな天候と新生活のあれこれで神経が参ってしまったもので すが、あちこちの庭に咲き乱れる見事な薔薇を見て歩くことと、鳥のさえずりで心が 癒されたものです。誇張でなく、音楽を奏でているかのよう、という形容がぴった り。日本のうぐいすの「ホーホケキョ」のような短いまとまりでなく、もっと長く、 もっと抑揚があり、音の高低があり、鳴きかたのパターンもバラエティがある、何を 伝えているのか調べてみたら面白そう、と思うほどでした。
荒れ模様の春もいつのまにか終わり、毎日が晴天続き、カラッとして気持ちの良い夏 がやってきます。陽はいつまでも高く、夜9時ごろまで明るくて、テニス、ゴルフは いうまでもなく、バーベキューもよし、ジョギングもよし、屋外シアターで映画を観 るもよし、何をしようか迷います。しかし、日中は紫外線が強く(南極近くにあるオ ゾンホールのせいで、日本の2倍あるそうです)、日焼け止めを塗らないと肌が痛く 感じます。帽子、サングラスも必需品です。この季節は、春ほど鳥の鳴き声を聞いた 覚えがありませんが、色のきれいな、オウムのような鳥を何種類もみかけました。日 本で見慣れている鳥たちのくすんだ色に比べ、赤、緑、青、白、と、何とも鮮やかな こと。ペットショップでなく、ごく普通に、そのあたりの公園やゴルフ場で、しかも 肉眼で、こんな綺麗な鳥が見られるというのは、素晴らしい。それから、Flying Foxと呼ばれるこうもり。夕方木から木へと飛び移る姿は鳥のようですが、くっきり と「バットマン」の形をしているのが見えるんです。
学校の新学期が始まる2月はまだ夏で暑いのですが、3月ごろから秋の気配となり、4 月から6月にかけてゆっくりと落葉樹が紅葉し、徐々に葉っぱを落としていきます。 個人的には、この3月から5月の気候がとても好きでした。晩秋、または初冬に当たる 6月後半から7月はじめがまた、天候が少し荒れ、常緑樹がたくさん残っているとはい え、すべて葉を落とした落葉樹の並木を歩くと「冬」を実感します。
そんな風に10か月が過ぎ、今日は久々に、芝生の上30センチくらいのところをツーと 飛び回る鳥の飛行ぶりが見事でしばらく眺めていました。一瞬つばめかと思いました が、よく見ると、胴体部分が青紫で、羽は茶色、頭にも色がついていたかもしれませ ん。そして、その鳥だったかどうか定かではないのですが、トーンが高くて、思わず 梢を見上げたくなるほどの鳥の鳴き声を聞きました。あれ?鳥が鳴くということは・ ・・もしかして、春が近い・・・?日本では「寒」が終われば「立春」。そういえ ば、モクレンがもう花をつけているし、すみれも咲き始めました。マイルドな冬で も、自然はしっかりと時を忘れずやってくる、と実感しています。
日本の夏、暑くて大変ですが、「夏祭り」「花火」「盆踊り」・・・あの風情がなつ かしくてたまらないです。昨年同様、8月には気温が下がることを祈っています。
