豪州屋Roo子のオーストラリア雑感集
高校生の職業体験

オーストラリアの高校には、職業体験(又は地域奉仕)プログラムがあります。つい 先日、10年生(高校1年生)のRoo Kidも1週間、盲導犬協会でその体験をしてきまし た。
職業体験をさせてもらう職場は、各学校でもいくつか候補を持っていますが、親や知 人を頼って自分でアレンジしてきてもよいようです。9年生の子供をもつ知り合い は、来年のために早々と候補となる会社にコンタクトしていました。時期が多少ずれ ているとはいえ、各学校の10年生ほぼ全員が参加するとなると、人気のある職場は取 り合いになってしまい、1年前から枠が埋まってしまうところもあるそうです。各学 校一人ずつと決められているものもあります。
Roo Kidの場合、何でもいいから動物に触れる仕事、ということで探しましたが、 RSPCAや動物園、サンクチュアリなどは超人気の職場ですから、問い合わせ時点では どこも空きがありませんでした。11年生でも同じプログラムがありますが、10年生を 優先することになっており、11年生でトライしようとするのは、あまり見込みがあり ません。こちらに知り合いも親戚も居ないので、学校にどこかツテはないかと頼み込 み、プライベートに設立されている盲導犬協会(Seeing Eye Dogs Australia)で引き受 けてもらえることになりました。
1週間、朝8時半から夕方5時までの勤務で、なんと、1日5ドルの支給があるとのこ と。話を聞いていると、盲導犬についても、盲人についても教えてもらうことばかり で、とても「仕事」には至らないのでは、と思いましたが、盲導犬の育成過程を勉強 して訓練に付き添ったり、寄付の申し出の電話や手紙をパソコン入力したり、何がし かの手伝いはしたようです。家に帰っても点字を一生懸命覚えていました。また、こ の団体が、政府からの補助金無し、全て寄付でまかなわれていることに驚いたよう で、学校に戻ったらみんなに呼びかけて寄付を集めようかな、とこれまで言ったこと のないことを言い出しました(これを実現できるかどうかはまた別の話ですが)。非 営利団体で、仕事はそう忙しくなく、また、弱視の方々を含め、働いている人たちが 優しくていい人ばかりだったので、おっとり型のRoo Kidはとても楽しかったという ことです。健常な人が盲導犬に接する時の注意事項をマンガに描いて喜んでもらえた りもしたそうです。
「でもこれ、オーストラリアだから出来たんじゃないかなあ。日本だったら、まず、 1日しか体験させてもらえないだろうし、たぶん、もっと忙しいだろうし、自分のよ うにもたもたしている子は「もっと早くしなさい」とか言われるだろうし・・・」 これは、Roo Kid本人の口から出た言葉です。日本では職業体験したことは無いの ですが、これまでの学校での経験、テレビドラマで垣間見る日本の社会などから彼女 なりに感じていたことが、実感となったのでしょう。当たらずといえども遠からず、 の観察だなあと苦笑したことです。
日本でも、中学2年生くらいから様々な職業体験の試みが始まっているということで 期待していますが、Roo Kidの日本の友達の経験は「保育士」と「介護福祉関係」が 多い。こちらでの体験先は、弁護士、ホテルマン、テレビ番組制作、警察、検死解剖 者、など多岐にわたります。日本は、とにかく生徒の数が比べ物にならない程多い し、経済状況もよくないし、このようなプログラムを受け入れる余裕のある企業・団 体は少ないかもしれませんが、だんだんとすそ野が広がっていくといいですね。学校 の先生以外の、多様な職業人と触れ合って学ぶことは決して少なくないと思うからで す。自分の高校生時代(かなり前のことで恐縮ですが)、学校と実社会のつながりは 希薄で、非常に限られた職業観しか持ち得なかったことを残念に思うので、若い世代 には、目を開いてしっかり社会を見て欲しいと願っています。来年はどうしよう、普 段アルバイトできないようなところにチャレンジしてみようかな、と今から楽しみに しているRoo KidとRoo子です。
豪州屋より
蛇足ですが豪州屋の本業の関係で、オーストラリアと日本の盲導犬協会のワンチャンたちに「エサ」を無料提供したりしています。沢山食べてもらいたいと思って贈るのですが、実はワンチャン達は1日に食べる量といえば、「手のひらにのる程度」なんですよね。そんな様子を見ていると、なんか申し訳ないような気持ちがしてきます。(^_^.)
