豪州屋Roo子のオーストラリア雑感集

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日本語を勉強するティーンエージャーたち

学校

ある私立女子校で、日本語を履修している12年生(高校3年生)のオーラルテストの 模擬練習に協力してほしい、という依頼がきました。高校卒業認定試験は州によって 異なっており、私の住むビクトリア州ではVCE(Victorian Certificate of Education)といいますが、行きたい大学やTAFEの要求する科目や自分の得意科目によ り、数学、物理、化学、歴史、・・・等のほかに、美術、音楽、演劇、体育など広範 囲から選ぶことができます。その一部で、「第二外国語としての日本語」を選択して いる生徒たちの相手をするのです。

試験は、例年10-11月(科目によっては6月)に行われますが、12年生で履修するユ ニットの成績と、試験当日の筆記、口頭試験の成績を組み合わせて判定されるようで す。会話力は、練習あるのみ、しかし、日本語教師がすべて相手をするわけにはいか ないので「日本語アシスタント」がその手伝いをしています。日本語アシスタント は、将来日本語教師をめざす若者の実践の場であることが多く、無給であっても、わ ざわざ日本からこれを目指してやってくる人もいるそうですが、かたや、豪州に滞在 している日本人の格好のボランティアであったりもします。Roo子の場合も、たまた ま、1年通して働いていたアシスタントの人が急遽日本に帰国せざるを得なくなり、 そのピンチヒッターにたった、というわけです。

中学高校で日本語を勉強する生徒たちの、実力はどのくらいのものでしょうか?ある 説によれば、小学校3年生レベルとか言いますが、個人差がとても大きいのが実情で す。中学生までは日本語を含む第二外国語は必須の学校が多いため、いやいや参加し ていて、何年もかかって、やっとカタカナが全部読み書きできるようになった、とい うレベルの子供もいますが、高校生で日本語を履修する生徒は、自分で選択してきて いるので、やる気のある生徒が多いです。また、交換留学で日本に行ったことのある 生徒が意外とたくさんいます。

さて、実際の練習シーンは、こんな風です。Roo子「あなたは何人家族ですか?」生 徒A「4人家族です。父と、母と、姉と、私です。」生徒B「私の家族は3人です。父と 母と私です。私はペットを飼っています。名前はチェロキーです。」・・・そうで す、生徒たちは、身内を呼ぶときの言い方をきちんと指導されているのです。生徒B のように、直接の答えでなくても自然に会話を発展させられるとポジティブな評価と なります。Roo子「週末はいつも何をして過ごしますか?」生徒「私の家族は週末に よくブッシュウォーキングにいったり、レストランにいったりします。でも、私は12 年生ですから、勉強が忙しくて、あまりブッシュウォーキングに行けません」これが すらすらっと言えるとGood!ですが、皆がこんなに上手くは答えられません。まず、 質問の意味を間違いなく聞き取ること、それに対して自然に答えることが要求されま すが、もし、聞き取れなかったら「すみません、もう一度、言って下さい」「わかり ません」といっても構いません。自分の行った事が間違ったと気づけば訂正すること もできますし、相槌をうったり、「えーと」というような言葉をはさむのも、会話の 自然さを損なわなければOKです。態度も大切です。日本人と話すのですから、ポケッ トに手をつっこんだり、髪の毛をいじったり、足を組んだままで、あるいはぶらぶら させながら、は厳禁です。(これができない12年生もいます)

質問される内容と、語彙集は大体想定されているので、設問に対する完璧な答えを用 意しておき、すべて覚え込めばよい、と考える人がいるかもしれませんね。確かに最 初はそのように準備するのですが、覚えたままを言っているな、というのは試験官に いい印象を与えません。あくまで、自然な受け答えが出来るかどうかで判定されま す。・・・ので、・・・です。・・・は・・・ほど・・・じゃないです。など2文以 上をつなげて言えたりするとポイントが高くなります。

日本語の先生から渡された「基本の構文」や「単語集」を織り込むようにして質問し ていきますが、その答えの中に、ティーンエージャーたちの生活がのぞけて、時々 こっちの方が夢中になって話してしまい、あっという間に20分(一人あたりの練習時 間)がたちます。Roo子「日本にいったとき、一番好きな食べ物はなんでしたか?」 生徒「吉野家の牛丼です。」(北京から移住してきた子)Roo「あなたの好きな小説 はなんですか」生徒「私は小説は好きじゃないです。でも、マンガが大好きです。名 探偵コナンやスラムダンク、ちびまるこちゃんが大好きです。」(香港からの留学 生)Roo子「将来は何になりたいですか」生徒「弁護士になりたいです」Roo子「どう してそう思うのですか」生徒「ワーク・エクスペアリアンスのとき、とても面白そう だと思いました。それに、かっこいいです」Roo子「それじゃ勉強が大変ですね。法 律をたくさん読まないといけませんね」生徒「でも、私は、価値がある、と思いま す」(弁護士はとても人気の職業です)Roo子「どんなレストランが好きですか」生 徒「イタリア料理と中国料理のレストランが好きです」Roo子「飲茶も好きですか」 生徒「大好きです」Roo子「どのレストランが美味しいの?それは何処にあります か」(中国人の勧める中華レストランは本物!)Roo子「週末は?」生徒「図書館に 行って勉強したり、ボーイフレンドと一緒に遊んだりします」Roo子「ボーイフレン ドとどこで遊びますか?」生徒「映画館に行ったり、私の家に行ったり、ボーイフレ ンドの家に行ったりします」(こんなこと質問する試験官はいない、っちゅーの !)。高校3年生ってこんなに可愛かったかな、と思うほどイキイキしている彼女た ちに元気を分けてもらえるのが楽しいです。統一試験が終わった後も、日本語の勉強 を続けてくれるといいけどなあ。

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