豪でビジネス

豪州からの輸出入の仕事はどうかな

豪州にとって日本は大きな貿易国、中学校あたりの授業で鉄鋼石、石炭、ボーキサイト(アルミ原料)や羊毛などの輸出が行われているときいたが、実際は大手商社が主導権を握っていることもあり、また現場が山奥であり、一般的には豪州で暮らしている人にでさえ、それらの動きが伝わってこないような気がする。

ここで、豪州屋はオーストラリアの商品を日本の流通業界に、何度となくアタックをかけたことがあるのでそこらへんを整理し、豪州屋的意見としてみた。

豪州屋ビジネス指南

日本という市場の中でオーストラリア商品は戦うだけの力があるか

一歩日本に入ると、米国、欧州、中国などの国々の製品が待ちうけている。その中で豪州製品を価格面、品質、などで特徴をだし、日本の狭い店舗の中に置かせてもらえる努力をするのだが、正直勝ち目は少ない。価格面では中国製(アジア商品)に負けるし、品質面やブランドイメージでは米国、欧州にはかなわない。つまり中途半端な商品が多すぎる。この問題を豪州側にぶつけても、確かに豪州の人件費は中国よりも高いだろうし、人口1900万人程度の競争社会では国際的競争力をもった商品をつくりだしてもらうことは時間がかかりすぎ、商機を逃してしまう。またビールや食品などの場合、リーファーという定温コンテナを使用しなければ、赤道を通ることで品質に劣化をもたらす可能性があり、輸送面でも実際は高くつくことが多い。

日本の市場をよく勉強しない豪州人が多いような気がする

これまでに数多くの日本に売りこみにきた豪州人が必ず残していく言葉がある、@うちの商品は大変優れている。A日本の市場は特殊だから、キミのような日本人に販売を協力して欲しい。なんとも投げやりなお言葉ばかりだ、いつも私は彼らに言うのだが、スーパーやホームセンターに行って類似品を見て研究したかと聞くと、時間がなく今回は行けないで終わってしまう。10人いれば9人がそうである。展示会に出席したり、出展する企業はあっても実際に消費者が選ぶ商品をお店に見に行かないのは致命的だ。 蛇足だが、豪州のスーパーは広いだけ広くて、商品数は少ない(つまり同一商品が1列占領したりする)。日本はありとあらゆる売れ筋商品を並べようと努力している。1u当りの売上も8000円だとか、15000円だとかで算出している。つまりあなたの商品をこの棚において1日一万円売り上げますかということだ。そのためにどのような特徴を出し、お客さんの心をつかみますか?という点は売り込みに行ったことのある人間しか教えられない。

メンタンピンが基本?

お店のバイヤーさんは毎日何件もの業者の売りこみに対応している。食品部門、生鮮食料品部門、雑貨部門などのバイヤーに別れ、彼らの商品選別が売上を左右することから、目も厳しい。(成績がすぐPOSで表れるから)。そんな忙しいバイヤーの気を引き、買う気にさせる商品を提案するには、麻雀でいうメンタンピンが必要だ。類似品にない特徴を1つ、さらに魅力を1つ、殺し文句を1つで、最低3つを簡潔に伝える。バイヤーさんも忙しいから2つは忘れても1つは覚えているだろうし、3つ特徴があれば初めて取り扱う商品でも店頭で説明しやすく、つまりお客さんが納得しやすい。ここまで苦労して販売までありつく努力を豪州企業は知る由もない。ついでだが、メンタンピンに三色がついてハネマンくらいになる豪州製品はこれまで見たことはない。

手っ取りばやい商売でも

豪州に暮らす日本人が手っ取り早く始められるのは、インターネットによる個人通販だ、既に多くのサイトで見うけられる。 極端な話、注文がはいってから買い付けを行えばよく、リスクも小さくて済む。しかし個人輸入は別として本格的商売として行う場合、輸送費、手間暇のコストも考えコンテナ単位の輸入とかでなければ、価格面では日本で利益をあげることは難しい。かつ大量の商品を売りさばく売り先がなければならない。豪州の田舎に行けば、手作りジャムやチャッツネ、マスタードにドライフラワーなど「これなら日本でも売れる」という商品をみかけることがある、しかしジャムに砂糖が入れば輸入関税も高くつくし、現在日本では無添加、無着色の甘味を抑えたジャムがうれていて、豪州の甘いジャムは売れない。ドライフラワーであしらった造花も一見するときれいだが、日保ちせず、半年もすればボロボロとはげてしまう。日本にある造花はその点手が施されているし、細かい点で器用なつくりのものが多く専門店の店員には見破られてしまう。かなしい。

豪州屋的結論

残念なことにすぐに日本で売れるような新商品がでてくることを豪州人に期待して待っていては、いつまでたっても商売にはならない。こうなったら、豪州人にでなく、豪州という国を最大の武器にして商品を自ら創り出すことが一番手っ取り早いというのが、豪州屋的意見。知っての通り、広大な土地のおかげで農産品の価格は国際的競争力をもっている。魚沼産コシヒカリや松坂牛までいかないでも、それなりにおいしい食品も出回っている。それらを活用した例として、日本でも最大手のペットフードメーカーがある。これらはオーストラリアで生産され、日本で販売されている。OEM生産に近いのだが、同じ牛肉や小麦粉を使う場合、米ドルが1ドル120円の時、豪ドルは80円であり、同じ商品を米国から輸入するよりも豪州から輸入するほうが40円も安いことになる。ペットフードはもともと単価が安い商品なので、このように豪州でOEM生産した方が他国に比べ競争力をもつことができる。

つまり、原料を米国から輸入してた日本企業にとっては、豪州の同等品を紹介することにより更に原価を抑えた商品を製造することが可能になる。豪州側にとっても日本市場にあった完成品を販売するのでなく、原料を提供するのでさほど困難ではないし、何より売りこみやすいという利点がある。つまり、日本の製造メーカーにとっては原価を落とし、利益率を上げることが今の最大の課題であり、早急におこなわなければ生き残れない問題である。このようなときに米国よりも安く買える可能性が少しでもあるのならば話を聞かない担当者はほとんどいない。

ということで、整理すると、@完成品で競争するのは難しいから、業務用食品など大量に扱う業者にアタック。A他国で生産しているメーカーに豪州メーカーを紹介してOEM生産

なんていかがだろう。

おまけ

毎年日本からオーストラリアに行く人は約80万人、人口比で言えば0.67%しかない。一方オーストラリアから日本に来る人は毎年5万人そこそこ、人口比で言えば0.26%である。人数で言ったら日本人の方が圧倒的に多いに決まってはいるが、日本に興味を持ち、実際に日本に来るオーストラリア人の割合は日本から豪州に行く日本人の割合の半分以下ということになる。オーストラリアにとって「日本は最大の貿易国」であることを考えれば、「おめぇ〜ら、もっと日本に買ってもらいたかったら日本に来て直接売り込め!!」と言いたくなるような数字だ。日本を見て、スーパーを見て、「いったい何が日本で売れているのか?」を実際にオーストラリア人が見ないことには始まらないというのが豪州屋の意見。つまり、いくらAUSTRADEなどの在日貿易庁がアドバイスしたって限界があると思っている。 いつまでも天然資源の輸出に依存してはいけないと気が付いているなら、せめてオーストラリアと日本の飛行機代くらい安くしろ!と言いたい。少しでもオーストラリア人が日本で活動しやすい環境をつくりたいならね。

順次、追加します

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